実直なフレンチ シェフと厨房 真心デザート
photo by Muneaki Maeda
実直なフレンチ

丹誠を込めてつくるシェフの料理と、もうひとつ、
ル ゴロワの看板となっているのがマダムでありパティシエールでもある
大塚敬子がつくるデザートです。
自らつくるデザートに愛情を込めて、
シェフの料理に誇りを持ち、形ではなく心からの笑顔で
お客さまをおもてなししています。


好きという気持ちでつくるデザート

ショートケーキひとつ取り上げても、スポンジから、クリームから、苺の一粒一粒まで、マダムの真心がこもった優しい味が、口の中にひろがります。なによりも、マダム自身がいちばんのケーキ好き。サービススタッフと一緒にお菓子をつくるとき、「技術よりもデザートを愛する気持ちを学んでほしい」「フロアに立って、お客さまのお顔をみながらサービスの仕事をして、そこで感じるものをデザートづくりに活かしてほしいと」マダムは話します。


名物グレープフルーツ・プリンの物語

ル ゴロワの名物デザートとなっている「グレープフルーツのプリン」は、ル ゴロワが誕生する以前に、マダムがかつて読んだ洋書に載っていたレシピの記憶をもとにつくったのが始まりでした。20年ほど前、シェフもマダムも(パティシエールとして)フレンチレストランで修業中だったとき、お客さまからいただいたたくさんのグレープフルーツをおいしくいただこうとして生み出したものです。この味に、シェフも太鼓判。シェフの師匠も認めてくださいました。シンプルで素材の味をストレートに伝えるのがマダムのデザートの特徴。技術をひけらかすようなお菓子ではなく、食べる人をおもてなししたいと思う心と手でつくるやさしい味です。


嬉しい時間をつくり出す仕事

シェフもパティシエールのマダムも、レストランのサービスを仕事として学んだり修業したことはありません。開店当時、サービスはまったくの素人から始めました。ぎこちないサービスで、迷惑をかけたことも多々あったと思いますが、あるときお客さまから「それでいいんだよ」と励まされたことがありました。そして、サービスは、料理やお菓子をつくる延長にあるもので、真心でもてなすことだと気づかせていただきました。
ル ゴロワのフロアサービスは、フレンチレストランの形式にこだわりはありません。自信を持って召し上がっていただける料理とお菓子を自分たちでつくり、食と共に嬉しい時間を味わっていただけるよう尽くす気持ちで接することがフロアサービスだと考えます。



サービスについてシェフのコメント

「自分たちで店を始めてから、サービスの大切さを実感しています。厨房にこもって仕事をしていたときはサービスの大切さに気づいていませんでした。料理はうまくてあたりまえというところがありますから、ル ゴロワをひいきにしてくれるお客さまがいらっしゃるというのは、マダムとサービススタッフがル ゴロワの誠意をお客さまに伝えてくれているおかげだと思います。
マダムがいちばん苦手なことは、つくり笑顔です。それが、ル ゴロワの良さだと思っています。言葉使いや身のこなしを型にはめて教えるのではなく、ランチとディナーの間の時間に、マダムが中心となってサービスのスタッフ全員でデザートをつくります。ル ゴロワのデザートづくりは、サービスの心そのもの。そうやって、スタッフ全員で思いをひとつにしようと努めています。
手前味噌になってしまいますが、デザートは逸品です。世界一しあわせなおいしさだと私は思っています」




●マダムのプロフィール

大塚敬子 おおつか けいこ

1957年東京生まれ。北海道・酪農学園大学卒業後、パティシエールの道に進む。学生時代から北海道の魅力に惹きつけられ、ル ゴロワをオープンしてからは、食材のほとんどを北海道から取り寄せている。シェフと共に北海道の生産者や料理人と交流を深め、北海道で牧場とひとつになったレストランを開くのが夢。現在、北海道にル ゴロワ農場を開き、人と馬が共に生きる暮らしを模索しながら、北海道と東京を行き来している。



photo by Muneaki Maeda
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photo by Masahiro Sakabe
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